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医者転職業界にもある「ヘッドハンティング」の事情。引き抜きスカウトされる医師のポイントや共通点とは?接待漬け・高級車贈呈・ヘッドハンティング会社はどこまでやるか?
「あなたを必要としている病院があります」
ヘッドハンティングはテレビドラマの世界や外資系のエリートサラリーマンだけの話ではなく、意外と医師の世界でもヘッドハンティングは行われています。
医師の転職というと医局からの派遣や紹介会社を通じての転職のイメージもありますが、ヘッドハンティングによる転職についても近年増加しているのです。
医師数は徐々に増えていますが、まだ医師が不足している病院は多々あります。
「どうせ田舎のしょぼくれた病院でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、実は田舎だけではありません。
むしろ都会であればあるほど、「優秀な医師の不足」が起きているのです。
どうにか医療費を抑制しようとする動きのある中、とくに都会にある病院は集患に四苦八苦しています。
少し足をのばせば大学病院があり、病院やクリニック経営において重要な「地の利」が無いのです。
そのため、都会の病院では集患力のある医師が求められています。
今回はそのような医師のヘッドハンティング事情を解説します。
医師にもヘッドハンティングはあるのか?
医師の世界にもヘッドハンティングはあるわけですが、これに近いものは以前からよく行なわれていました。
それは、知人を通して行われる「引き抜き」という形です。
大学医学部の同級生や先輩後輩の関係などで、病院を経営している理事長などから直接「うちに来ないか」と声がかかるケースです。
最終的には医局を通すケースもありますが、知人の間で引き抜きを行うケースは昔からよくありました。
今回紹介するヘッドハンティングとは、医師を必要としている病院がヘッドハンティングを行う会社に依頼をして始まるものです。
病院から「この診療科で医師を探してほしい」や「50歳前後の次期院長候補の医師を探してほしい」など、細かい指定があります。
そうした依頼を受けて、ヘッドハンターが対象となる医師に個別にアプローチをしていくわけです。
一般的な紹介会社の場合は、転職を希望する医師側から紹介会社に登録を行います。
紹介会社が各病院から集めた求人情報を提示し、条件がマッチするものを見つけて医師側から病院側にアプローチを掛けて始まります。
この辺りがヘッドハンティングと紹介会社との仕組の大きな違いです。
ヘッドハンティングを行っている会社
ヘッドハンティングを行っている会社はいくつか存在しますが、一般に知られている会社は多くありません。
紹介会社の場合は登録の医師数を増やす必要があるので大々的に宣伝を行っていますが、ヘッドハンティングの場合は個別にアプローチを行うため、ビジネスモデルとしてさほど宣伝は必要ありません。
医師のヘッドハンティング会社の例
ヘッドハンティングはどのような会社があるのかを見てみましょう。
各社の主な違いは「どのような業界に強みがあるのか?」という点です。
たとえば、株式会社メディカルアジュール(ドクタス)は医師に特化したヘッドハンティングサービスを行っているため、医師を探しているクライアントにとっては大きな期待を持てます。
基本的にヘッドハンティングも紹介会社もサービス内容は同じですが、ヘッドハンティングは転職を希望している人が登録するというシステムがありません。
紹介会社は転職者がその会社に登録を行い、キャリアアドバイザーのサポートを受けながら転職成功を目指していくというシステム。
どんな医師がヘッドハンティングされやすいのか?
ヘッドハンターがスカウトの対象として選びやすいのは、大学病院やブランド力の高い大病院に勤務する医師です。
各診療科の中でも医療機関ごとにランク付けがされており、病院の中でも医局ごとにブランド力が違います。
症例数や論文発表数など、医療機関の実績数値は公表されているものも多く、さまざまな情報を参考にスカウトが行われるわけです。
トータル的にメリットの高い医師を獲得できるのであれば、高い手数料を支払う価値はありますよね。
ヘッドハンティングされやすい年齢
ヘッドハンティングの対象は、40~50代の医師が中心です。
この年代は医師として脂の乗っている時期であり、管理職の経験もある程度積んでいる人が多いことから、クライアントが求める人材を探しやすいんですね。
新しい病院でさらなる管理職やポストが用意されていると、医師にとってもキャリアアップのチャンスとして転職に踏み切りやすく、タイミングが合えばスカウトに成功しやすいわけです。
最近では、30代でヘッドハンティングされるケースも増加していますが、こちらは若手医師としての体力や柔軟性を重視してのヘッドハンティングが多く、ポストが期待される40~50代のヘッドハンティングとは若干性質が異なります。
ちなみに20代や30代前半は実績が少ないことから、ヘッドハンティングの対象になることはほとんどありません。
ヘッドハンティングの流れ
ヘッドハンティングは特殊な転職方法ではありますが、基本的に通常の転職と採用までの流れは同じです。
【①アプローチ】スカウトは突然やってくることが多い!
ヘッドハンティングはアプローチから始まります。
アプローチの方法は、メールや手紙が主流です。
スカウトされる医師は転職を意識していないことも多く、ヘッドハンターからすると反応がないと思うことも良くあります。
【②面談】提示条件が魅力的なら面談へ!
ヘッドハンターが提示する条件に興味が湧いた場合、医師とエージェントで数回面談を行います。
面談では、依頼者である病院の意向と医師の希望条件などを擦り合わせていきますが、最初の段階は病院名が伏せられていることが多いです。
【③病院面接】条件がマッチすると面接へ!
条件面での擦り合わせが進むと病院名が明かされ、病院側のスタッフとの面接が行われます。
病院によって採用担当が異なりますが、院長や理事長などお偉いさんと面接を行うことが多いです。
病院医師の面接内容は本当にさまざまで、食事会や接待に近いような形式をとることも良くありますよ。
【④条件提示・仮契約】採用が決まると仮契約!
面接を終えると、水面下ではヘッドハンティング会社と病院が条件面について話を詰めていき、採用の可否が決まります。
病院が採用を決定すると、本契約に向けて仮契約を結んでおくことが多いです。
【⑤退職手続】退職が決まると本契約へ!
仮契約を結んだら、現在の勤務先に退職の意向を伝えます。
優秀な医師の場合、勤務先から引き留められることも良くあるため、スムーズに退職できないことも珍しくありません。
就業規則で1ヶ月前の申し出とあっても、患者の引継ぎなどを考えると退職までに1年以上かかるケースもありますよ。
退職日が確定したら、ようやく本契約を結ぶことができます。
【⑥退職・入職】ヘッドハンティングのメリットは考えておきたい!
退職して本契約を結んだら、新しい病院へ入植して仕事が始まります。
ヘッドハンティングの流れはシンプルですが、「自分にとってメリットのある転職なのか?」を考えることが重要であり、これも通常の転職と同じです。
「なぜ、ヘッドハンティング経由で転職しなければならないのか?」という方向で考えると、メリットを見出しやすい。紹介会社の求人情報をチェックして、給与等の相場をリサーチしておくのも効果的。
危険なヘッドハンティングの見分け方
ヘッドハンティングされたからといって舞い上がってはいけません。
高いコストを払ってまで医師を採用したいという医療機関には、そうしなければならない事情があるのかもしれません。
ヘッドハンティングで医師側が品定めをされるのと同様に、医師側もきちんと冷静な目で医療機関を見定める必要があります。
依頼先の病院を見定めるポイント
依頼先の病院が危険かどうかを見極めるために、以下のようなポイントを確認しておきましょう。
- 医療機関のニーズがはっきりしている
- 理事長の親族で事務の要職をかためている場合は要注意
- 質問に対してぼかさずに答えてくれる
- こちらの判断を急かさない
ヘッドハンティングは条件交渉の段階にならなければ病院名が明かされないこともあるため、強気なスタンスで「どこの病院ですか?」と最初に聞くのもアリです。
転職で失敗しないためにはリサーチが重要!
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ヘッドハンティングでリサーチしておきたいこと | |
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ヘッドハンティング会社 | ・まともな会社かどうか? ・ヘッドハンターの対応が良いか? ・連絡のやり取りに問題はないか? ・疑問を解決できるか? ・入社までの手続きを任せられるか? ・話に食い違いはないか? |
依頼先の病院 | ・どこの病院なのか? ・採用条件は明確か? ・仕事内容から所属先まで決まっているか? ・メリットはあるのか? |
ヘッドハンティングで転職する場合、「ヘッドハンティング会社」と「依頼先の病院」の両方をリサーチしておくことがポイントです。
簡潔に説明すると、「退職したのに内定が取り消された・・・」とか「提示条件とは違う内容で契約することになった・・・」など、トラブルを避けることが重要なわけですね。
紹介会社の場合は今の時代において1つの転職方法として確立されており、大手を利用するなら「人材紹介会社の信憑性」を調べる必要はとくにありません。
しかし、ヘッドハンティングはどのような会社があるのかを知っている人も少なく、信頼できるかどうかを自分で判断していかなければならないのが難しいところです。
ヘッドハンティングと転職支援サービスの違い
ヘッドハンティングは、病院側からヘッドハンティング会社に依頼をして医師を探すサービスです。
転職支援サービス(紹介会社)は、医師が転職支援サービスに登録してコンサルタントから病院の紹介を受けるシステムなので、医師が転職支援サービスに依頼して病院を探すサービスといえます。
ヘッドハンティングは転職の意思を示して希望の病院を探すわけではないため、じっくりと他の病院と比較しながら転職先を探すことができません。
スカウト条件が魅力的なら大きなメリットを感じますが、希望する病院を探せないという点はデメリットですね。
他職業と同じように医師転職も転職支援サービスを利用するのはスタンダードな転職方法なので、ヘッドハンティングはいかに好条件のオファーを受けられるのかがポイントです。
仲介報酬の違い
ヘッドハンティングの仲介報酬は、最終的な成功報酬として紹介した医師の年収の30%~40%です。
転職支援サービスの仲介報酬は、成約した医師の年収の20%程度が相場となっています。
優秀な医師が欲しい依頼者にとっては、転職支援サービスに比べてヘッドハンティングを利用するほうが手数料が高く付きやすいです。
この仲介報酬は依頼者が仲介業者に支払う金額なので、転職を検討する医師が支払うことはありません。
しかし、転職に向けてお付き合いする中では「一体、どのくらいの報酬を得ているのだろう?」と気になることが良くあるため、ちょっとした豆知識として参考にしてみてくださいね。
リテーナー制とは?
ヘッドハンティングの報酬には「リテーナー制」という制度があります。
リテーナーとは「着手金」という意味です。
ヘッドハンティングを依頼した病院が依頼時にまずは着手金を支払い、入職が決まった際に成功報酬が支払われます。
成功報酬は「契約・面接・採用」など、段階的に支払われるのが一般的です。
気になる!ヘッドハンティング案件の年収は?
ヘッドハンティングで転職した場合、売り手側が条件的に強くなります。
一般的な勤務医の平均年収は1450万円程度ですが、ヘッドハンティングは1,000万円以上アップで転職成功を目指すことも可能です。
また、医師の希望条件について交渉するのは当然ですが、「医療機器など診療に関する環境整備」や「遠方の病院に通勤する場合に高級車をプレゼント(病院で通勤用の自動車を貸与)」といったケースもあります。
医師が新しい病院で実力を存分に発揮できるように条件を調整することが、ヘッドハンティングの役目です。
ヘッドハンティングは医師の転職において重要な選択肢
医師のヘッドハンティングは、単なる転職先の斡旋や医師の紹介ではありません。
優秀な医師を必要とする病院側と潜在的に新たなキャリアアップのニーズのある医師とを結びつける役割があり、タイミングが合えば優遇された条件で転職できることがメリットです。
しかし、ヘッドハンティングは突然の連絡から始まることが多いため、条件を含めて急に転職を考えなければならないのが難しい部分でもあります。
スカウトされたからといって浮かれることなく、ヘッドハンティングをよく理解して対応することが大切ですよ。